サーモンと鮭は本来は同じです。
なぜ、最初からこんなことを申し上げるのかというと、サーモンと鮭が違うものと思っている人が結構多いからです。
鮭を英語で言うとサーモン(Salmon)となり同じものです。
日本で銀鮭とか紅鮭とかいますけど、英語では、シルバーサーモン、レッドサーモンだし、ご存じ鮭の王様であるキングサーモンだって当然サーモンです。
だから鮭=サーモンは語学上では同じ意味です。
しかし、
「じゃあなんで鮭のお刺身や寿司は無いの? だから鮭とサーモンは違うものなんじゃないの?」
って言う人がいるんですね。
なるほど、そういわれてみれば、回転ずしやスーパーのお魚コーナーで売られているお刺身やお寿司はすべて「サーモン、やトラウトサーモン」となっています。鮭のお刺身とかお寿司ってみたことがないですよね。なぜでしょう?
なんかややこしい話になってきました。
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私も説明できないので、説明できるようになるまで調べてみました・・・・・結果
サーモンと呼ばれているものは養殖もののことである!
回転ずしやスーパーのお刺身は養殖されているサーモンもしくはニジマスである。
ということが分かりました。
養殖物のサーモンの種類
日本国内に流通しているいわゆるサーモンと呼ばれるものはほとんどが、ノルウェーやチリ、それからカナダなどで養殖されているものだそうです。
そのうち「鮭」として養殖されているものは、「アトランティックサーモン(大西洋鮭)」と呼ばれる種類の鮭の養殖ものだそうです。さて、ここでもうひとつ、事をややこしくしているのが、「ニジマス」の存在です。
よく、スーパーなどで、「トラウトサーモン」とか「サーモントラウト」と書かれているお刺身を見たことがありませんか?
これがニジマスです。
しかもこのニジマスは、食用に何十年もの間、改良に改良を重ねて作られた超大型(1m超にもなるそうです。)になる「ドナルドソントラウト」という種類のニジマスだそうです。
元々ニジマスも鮭科の魚なので、大きくなると特にオスは鼻が鉤のように曲がって雄々しくなりますし、身の色もオレンジピンクのようになるようですがちょっと我々が普段日本で目にするニジマスとはスケールが違うようですね。またこの「ドナルドソントラウト」は、釣魚対象としての好敵手としても有名な魚だそうです。
なぜ、日本の鮭のお刺身や寿司がないのか?
なぜサーモンが養殖ものなのか、なぜ日本の鮭のお刺身やお寿司がないのか?という理由の一つに、天然ものの鮭には寄生虫がいて生食には向かないからだそうです。しかしながら寄生虫も冷凍にすると死んでしまうそうですから北海道のアイヌ民族が食していたルイベという鮭を冷凍保存してそのまま食る習慣は納得がいきますね。
ややこしい回転すしの表記
ややこしさに拍車をかけているのが、回転ずしの表記です。
回転ずしでは、トラウトサーモンを供しているにも関わらず、「サーモン」という表記で提供していることが多いようです。
例えば、「スシロー」。
私は、「スシロー」のファンで月1ペースではありますが、かなり昔から家族で行きますが、サーモンを「トラウトサーモン」と表記しているのを一度も見たことがありません。しかしながら、「スシロー」の原材料のページでサーモンの項を確認すると、「アトランティックサーモン・トラウト」と書かれています。
意味がよくわからないので、スシローに電話をして聞いてみたところ、状況によって、「アトランティックサーモン」と「トラウトサーモン」の両方を提供しているそうですが、いちいち「トラウトサーモン」という表記はしていないそうです。どの位の比率で提供されているのかまでは突っ込みませんでした。
私は個人的には、美味しければ良いと思っている方なので、こんなことで目くじらを立てるほどのことではないと思っていますが、中には騙されたと思う人もいるかもしれませんね。(笑)
法律違反ではないんでしょうけどね・・・・w
あ、言うまでもなく、この場合に供されている二種類のサーモンはどちらも養殖でしょう。また、日本で見るサーモンの殆どはトラウトサーモン、つまりニジマスだそうです。
回らないお寿司屋さんにサーモンは邪道なのか?
ちょっと話が逸れますが、私は最近ほとんど行ったことがないので断言はできませんが、いわゆる普通のお寿司屋さん(回転すしではない方ね。)で「サーモン」や、「カリフォルニアロール」を供しているのをあまり聞いたり見たことがありませんがあれはやはり邪道だからなんでしょうかね。
元々寿司ネタにサーモンという種類がなかったからなんでしょうかね。
私は、美味しければなんでもありかなという気はしていますが、やはり江戸前の寿司ネタとしてはサーモンはそぐわないということなのでしょうか?
そう考えると、寿司と寿司ネタに関しては、何となく”柔道”に似ているような気がします。
今や、”Sushi”も”Judo”も世界的に認知された食べ物でありスポーツなのですが、日本ではやはり”お寿司”であり、”武道”としての”柔道”しての認識とこだわりがまだまだ残っているということですね。
ただし、良くも悪しくもこのグローバル社会の中の位置づけとしては、「Sushi」、「Judo」になりつつあるというのが現実であることは間違いないでしょう。